マグネシウム依存症!? 「ASKA AUDIO AMG-2000」ほか
良い再生音を得るために重要な「振動」の制御に、マグネシウムは多大な効果をもたらしてくれます。
昭和40年、二歳上の姉が高校の入学祝に買ってもらったPIONEERのコンソールステレオを、姉の目を盗んでこっそりいじくりまわしていたのがオーディオに目覚めるきっかけでした。工業高校の電子科に通いはじめ、ハンダの脂が焦げる匂いが大好きに。高卒で公務員になると、帰宅の道すがら秋葉原駅で下車してパーツ屋を物色するのが日課になりました。その後、大学に進んでバイトの給料が貯まると、レコードプレーヤーやスピーカー、アンプを自作したり、神保町のオーディオユニオンで、高額の利息の「月賦」で手に入れたカセットデッキやオープンリール・テープデッキを聴き、CDほかデジタルメディアが隆盛となり、そしてハイレゾ、ネットオーディオの時代まで、およそ半世紀にわたってオーディオを趣味にしてきました。好きなアルバムの好きな曲をいい音で味わいたい。私が考える音質向上のためのキーワードは「位相」「振動」「ノイズ」です。その中でアナログな対応をしなければならないのが「振動」対策です。
昨年、レコードプレーヤーを
CEC FR-X1 から
Tien.inc
TT-3 に変更しました。アウタープラッターは半透明のアクリル製で、アクリル繊維の静電気がイメージされて、生理的に気になり直にレコードを置きたくありません。いろいろ物色して見つけたのが
ASKA AUDIO の純マグネシウム・ターンテーブルシート
AMG-2000 でした。
TT-3 はターンテーブルを指で軽く押さえただけで回転が止まるほどの超低トルクが売りで、重量のあるターンテーブルシートは不向きなため、軽量なマグネシウム製のターンテーブルシートは最適でした。同じマグネシウム・ターンテーブルに
SUNSHINE STS-1 がありますが、
ASKA AUDIO のシートには、レコードレーベル部分の座繰り加工がしてあり、レコードとの密着性が良いのです。レコードの振動を減らすために密着性は大事だと思います。
軽量という選択肢で選んだこの純マグネシウム・ターンテーブルシート。初めて使う金属製のターンテーブルシートで、金属のクセのような付帯音がちょっと心配でしたが、その音質改善効果は絶大なものでした。映像の解像度が上がったみたいに音楽の立体感が際立ち、ノイズ感が気にならなくなり、楽器やボーカルの艶・リアリティがより豊かに、音場の見通しが良くなります。このターンテーブルシートなしでレコードを聴くという選択肢はなくなりました。 たった一回の使用でマグネシウム中毒です。
マグネシウムは振動にとても強い素材で、実用されている金属でもっとも振動吸収性が高いそうです。純マグネシウム・ターンテーブルシートを指で弾くと「コツコツ」という金属らしからぬ響きのない音がします。そして、他の金属を使った制振アクセサリーに感じられることのある、素材固有の付帯音がありません。副作用が感じられないのです。(棒状のマグネシウムはキャンプなどで燃料の着火に使うとか、粒状のマグネシウムは洗濯機に入れると汚れが落ちるとか、なんとも不思議な金属です。発火しやすいので加工が難しいそうです)
この
ASKA AUDIO の純マグネシウム・ターンテーブルシートのほか、現在のシステムに導入しているマグネシウム製アクセサリーは、オーディオラック、アナログディスクスタビライザー、スピーカーケーブル、インシュレーターです。すっかりマグネシウム中毒です。
オーディオラックは、ターンテーブルシートより前に導入した最初のマグネシウム使用アクセサリーです。マグネシウムアクセサリーをいろいろ開発しているティグロンの TIGLON TMR と、小型機器用 TIGLON MPR です。支柱にマグネシウムが使われています。どちらも支柱サイズが4〜5種類あり、システム変更に柔軟に対応できます。当方、マンションのLDKの間借りリスニングルームで、オーディオ機器の設置スペースが限られているため、この可変性はとても重宝しています。
変更前は木製の
ADK SD-5066 を使っていました。
TIGLON に変更したことによる音質の改善効果は正直よくわかりませんが、少なくとも音質の劣化はありません。ロシアンバーチ製棚板の4辺に切れ込みがついていて、システムのメンテナンス時に手を動かしやすいデザインになっています。
アナログスタビライザーは ORB Mg-RS JAPAN です。純マグネシウム製で、光沢のある黒漆塗仕上げ。製品説明によると金沢の漆塗り職人が仕上げているそうです。つまみやすい有機的なカーブがついた外観はメイドインジャパンのホレボレする美しさです。マグネシウム製なので重量は237gと軽く、荷重で抑えつけるタイプのスタビライザーではありません。使用している超低トルクプレーヤー Tien.inc TT-3 に最適なものだと思います。
スピーカーケーブルは
JFSound SIN-KAI MS2227C を、低音用と高音用スピーカーに使っています。
SIN-KAI は6本の導体の芯線にマグネシウムワイヤが使われ、ケーブルの振動を抑えるというもの。マグネシウムを使ったケーブルには他に
TIGLON MS-12SP2 があります。
MS-12SP2 は、導体の外側をマグネシウムを塗布したフィルムでシールドしたもので、まだ使ったことはありません。どちらも1m/3,000円前後でスピーカーケーブルとしては安価です。
マグネシウムを使ったオーディオアクセサリーは、リーズナブルなものが多いです。4チャンネルマルチアンプシステムでは、ステレオで8チャンネル分のケーブルを使っているため、そのうちの1つのケーブル変更の影響はそれほど顕著にはわかりません。ましてや1チャンネル3メートルとして24メートル必要なスピーカーケーブルに、1m何万円もするケーブルなどそう安々と使えません。
インシュレーターは TIGLON MMX-4 と SUNSHINE S2 です。 TIGLON MMX-4 は、マグネシウム製のスパイクとスパイク受けを木製のカップで支持した製品で、 CORD DEVE に三点支持で使っています。 SUNSHINE S2 は、 MMX-4 より厚みが薄いマグネシウムスパイクで、パワーアンプに使っています。
マグネシウム以外の素材のインシュレーターを多用していたわけではないので、マグネシウム・インシュレーターの効果がどの程度あるのか、マグネシウム・ターンテーブルシートを使ったときのような、一聴でわかるような音質改善は感じられません。マグネシウムアクセサリーに限らず、レコードプレーヤー周りのアクセサリーによる音質への影響・変化はとても大きく、レコードの音質追求はそれだけ楽しみも多いです。
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マグネシウムは振動にとても強い素材で、実用されている金属でもっとも振動吸収性が高いそうです。純マグネシウム・ターンテーブルシートを指で弾くと「コツコツ」という金属らしからぬ響きのない音がします。そして、他の金属を使った制振アクセサリーに感じられることのある、素材固有の付帯音がありません。副作用が感じられないのです。(棒状のマグネシウムはキャンプなどで燃料の着火に使うとか、粒状のマグネシウムは洗濯機に入れると汚れが落ちるとか、なんとも不思議な金属です。発火しやすいので加工が難しいそうです)
オーディオラックは、ターンテーブルシートより前に導入した最初のマグネシウム使用アクセサリーです。マグネシウムアクセサリーをいろいろ開発しているティグロンの TIGLON TMR と、小型機器用 TIGLON MPR です。支柱にマグネシウムが使われています。どちらも支柱サイズが4〜5種類あり、システム変更に柔軟に対応できます。当方、マンションのLDKの間借りリスニングルームで、オーディオ機器の設置スペースが限られているため、この可変性はとても重宝しています。
アナログスタビライザーは ORB Mg-RS JAPAN です。純マグネシウム製で、光沢のある黒漆塗仕上げ。製品説明によると金沢の漆塗り職人が仕上げているそうです。つまみやすい有機的なカーブがついた外観はメイドインジャパンのホレボレする美しさです。マグネシウム製なので重量は237gと軽く、荷重で抑えつけるタイプのスタビライザーではありません。使用している超低トルクプレーヤー Tien.inc TT-3 に最適なものだと思います。
マグネシウムを使ったオーディオアクセサリーは、リーズナブルなものが多いです。4チャンネルマルチアンプシステムでは、ステレオで8チャンネル分のケーブルを使っているため、そのうちの1つのケーブル変更の影響はそれほど顕著にはわかりません。ましてや1チャンネル3メートルとして24メートル必要なスピーカーケーブルに、1m何万円もするケーブルなどそう安々と使えません。
インシュレーターは TIGLON MMX-4 と SUNSHINE S2 です。 TIGLON MMX-4 は、マグネシウム製のスパイクとスパイク受けを木製のカップで支持した製品で、 CORD DEVE に三点支持で使っています。 SUNSHINE S2 は、 MMX-4 より厚みが薄いマグネシウムスパイクで、パワーアンプに使っています。
マグネシウム以外の素材のインシュレーターを多用していたわけではないので、マグネシウム・インシュレーターの効果がどの程度あるのか、マグネシウム・ターンテーブルシートを使ったときのような、一聴でわかるような音質改善は感じられません。マグネシウムアクセサリーに限らず、レコードプレーヤー周りのアクセサリーによる音質への影響・変化はとても大きく、レコードの音質追求はそれだけ楽しみも多いです。
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